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2007年2月 6日 (火)

大阪市への申し入れの詳細

大阪市への申し入れの詳細

先日の記事のとおり、2月2日に関淳一 大阪市長あてに、福祉部局のホームレス自立支援課にて行政代執行中止の申し入れをおこなった詳しいやり取りを報告します。

入室し、窓口で「失礼します。大阪市の野宿者テント強制撤去の行政代執行に抗議し、中止を求める申し入れに来ました。」と言うと、奥から職員の井上利夫氏(課長か?)がとんできて制止するように対応がはじまりました。

抗議内容を伝えるより前に、職員の井上氏は、「庁内のガイドラインで、団体との交渉はしない。」としてきました。
ていのいい理由のつもりか、「部落解放同盟」を持ち出し、「不透明な交渉を避けるため」などと説明してきました。
そして、「文書を受け取った上で、後日、数名ずつで、公開の場で交渉をする」としてきました。
また、「苦情は市民局総合窓口に行け」と言ってきました。

なにをいっているのか。私たちは行政代執行の意思決定に関与したと思われる部局に直接抗議に来たのであり、また見解を求めに来たのであり、相談や交渉に来たのではない。
しかし、そのように主張するこちらに対し、手のひらをこちらの顔のすぐ手前に近づけ、だまらせるような態度を取ったりと、対応は不誠実このうえないものでした。

だいたい、住民が直接的に担当課に見解を求めていることに対し、自らの政策について見解を述べる責任を放棄するような「ガイドライン」など、無効ではないか。
直接行動という手段は、「部落解放同盟」が確立した既得権益などではなく、私たち住民の基本的権利だ!
なにか批判を受けている事象を持ち出し、「ていのいい理由」をつけたら市民がだまると思っているようだが、そんなことは通用しない。

職員の井上氏の不誠実さは対応の全てににじみ出ていた。
「その『ガイドライン』の『数名』とは何名のことなのか。『交渉』の定義は何なのか」と質問したことに対しても、「ホームページにガイドラインが掲載されているので読める。」と言ってきた。
説明もなく、ホームページを読んで来いとばかりに対応を拒否しようという大阪市当局の姿勢に憤りを感じる。

しかし、しつこく「住民の問い合わせにも答えないつもりか」と抗議を続けていると、「一般論」として井上氏が答えたことは以下のとおり。

「今回の長居公園で野宿テントをのけるということについての行政代執行については、ゆとりとみどり振興局が施設管理者として、事業の運営の支障があるとしたことが発端である。そして、市長をトップとした執行会議において、再三による要請にもかからわず(テントを)のけていただけないため支障があるとし、最終的には代執行をおこなうと決まった。」
「私ども(ホームレス自立支援課)は、別次元でも、自立を支援する。(テントを)のかれるにあたり、生活することのサポートの相談にはのる。」

それについて、ホームレス自立支援課が、執行会議の過程で「行政代執行に問題がない」旨の見解を出したのではないのかと追求したが、井上氏は当然のように「見解を出したかどうか」についてさえ回答できないとし、「文書を出せば、見解の有無を答えるかどうかも含めて検討する。」
一体何様なのか?
あなたがたは、見解の有無さえ答えても答えなくてもいい立場なのか。

行政代執行を決定した「執行会議」の流れについても経営企画室のホームページ上で読めとのことだった。なぜその場で説明できないのか。
しかも後日、調べたところ、ホームページ上には代執行を決定した会議については更新されていなかった。無責任もいいところだ!

結局それ以上については「団体として来たから交渉できない」というごまかしの一転張りだった。
今から個人として申し入れすれば対応するのか?住民の電話の問合せにも答えないのか?と質問しても「仮定の話をされても困る」など逃げの答えに始終し、「あなたがたとお話するつもりはない。」とまで断言、最後には「次の予定がある」などと強引に打ち切ってきました。

経営企画室と工事担当課のゆとりとみどり振興局には今回の申し入れについて伝えるとのことでした。
それについても、井上氏は「仁義上そうする」と言ったが、仁義ではなく義務であることを自覚してほしい。

ホームレス自立支援課にて勤務する以上、野宿者の生活保障を考え、それに逆行するような施策には反対し闘っていくのが自治体労働者の使命ではないのか。
ホームレス自立支援と銘打って、野宿者を殺す市政に何のためらいも感じないのか。

申し入れで感じたのは、市民に施策の透明性を保障するなどといった美名のもと、市民の陳情さえ真摯に受け止められない市役所になりさがったということでした。
そして、労働者としての誇りも、住民自治の自覚も失った職員の姿に怒りを感じました。
これが労働組合つぶしを推し進めた結果としての、典型的な「市民への対応」の姿なのだと思う。
そしてこの傾向は、平気で野宿者テントの排除が進められてしまう市政と、全く同根でつながっているのだ。

私たちは、問合せに「正しく」「マニュアルに沿って」回答してもらうためだけに、サービス・利便性をあげるためだけに市役所の窓口を必要とするのだろうか?
そうではなく私たち住民がより良く生きるためには、住民が主体となる自治を築くための、住民と自治体労働者をつなぐ入り口が必要なのだ。

そのあと労働組合の市従と市職労にもコピーを渡しにいき、ともに業務命令拒否にむけて決起してほしいとうったえた。
市従については「反対はしているが・・・」といった答えだった。私がその立場だったら、同じ反対の立場をとる仲間に対し、まず代執行の流れを止められなかった当事者として謝罪するだろうに、と思った。
回答の内容は要するに、業務命令拒否など組合員が不利益を受ける(処分される)ような方針は出せないとのことだったが、そんな理由で正当化できるような業務なのだろうか?こういうときに労働者が闘わずにいつ闘うのだろうか?「不利益」を避けるためには人でも殺すのか?と疑問を感じざるを得なかった。

自分も同じく、弱い労働者の立場であり、少なからず人々のためにならない労働をする可能性のある立場であり、とても考えさせられた。ここでおかしいと思ったことを、自分の労働運動に反映させていく必要があると強く感じた。

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